7月1日に第5回未来院長塾が開催されました。
今回は午前、午後とテーマ別の二部構成で行いました。
午前はYOKOTA DENTAL OFFICE院長の横田要先生をお招きし、歯内治療についてご講演頂きました。
1.米国歯学部入学という狭き門と現地でのプログラムについて
未来院長塾の受講生は学生や卒後間もない歯科医師が多く参加しています。
そんな未来ある若者に向け、横田先生のもう一つの母校であるペンシルバニア大学歯学部での経験を元に「学ぶこと」、その重要性やそれが人生にどのような影響を及ぼすかについてお話し頂きました。
知的探究心や自発的な意志さえあれば、どれだけ困難で険しい道のりでも乗り越える事が出来るのだと勇気づけられた気が致します。
歯内治療のみならず専門外の補綴、歯周病、その他の膨大な文献を読み、臨床へ直結するトレーニングのあり方だけではなく、スピーカーの服装、話し方までしっかりとコミットするペンシルバニア大学歯学部の教育プログラムは、正しく望ましい教育のあり方だと思います。
2.歯内治療専門医の役割
日々の臨床において歯内治療が必要な方がクリニックに訪れる機会は多々ある事でしょう。
GPで対応すべき症例、また専門医に紹介すべき症例。
皆さんの医院でその線引きは明瞭でしょうか。線引きが不明瞭ならAAEのサイトhttps://www.aae.org/specialty/clinical-resources/guidelines-position-statements/、少なくともJEAのサイトhttp://www.jea.gr.jp/taikai/index.shtml などを自ら検索してみましょう。
歯内治療の意思決定について、少なくとも補綴的要件、歯周病的要件についての最低限の知識が必要な事に異論は無いかと思います。
3.歯内治療における意思決定
感染防護、それに尽きます。
もし、このレポートを読んでいるあなたが考えうる理想的な歯内治療に感染防護という考え方が無ければ、可及的速やかに歯科医師免許を返却して下さい。
歯科医師たるもの微細な細菌のコントロールに日々四苦八苦しており、細菌のコントロール出来ない結果、患者が悲惨な状態になるのは容易に想像できるかと思います。
歯周病に立ち向かうには、歯肉縁上のプラークコントロールという、患者の協力無くしては良い結果に結びつきません。
ですが、歯内治療の細菌のコントロールは術者の力量に全て託されていると言っても過言ではないでしょう。
歯牙特有の形態への知識、ラバーダム、滅菌された器具、器具への理解、化学的なアプローチ、外科的なアプローチ、治療時間。
最近ではCBCT,歯科用顕微鏡などの最新機器etc。
歯内治療を成功させる上でこれら一つでも欠けても良い結果は生まれません。
ですが、感染を取り除き、また再感染を引き起こさせないという極めて当たり前な認識が基本であると、歯内治療の歴史から学ぶ事が出来ました。
今回3時間弱という限られた時間ではありましたが、歯内治療の原理原則について学ぶ事が出来ました。
また、この時間だけでは到底学びに限りがある事も承知しています。
横田先生の話をもっと聞きたい、先生から学びたいという事であれば、是非今後とも先生が登壇される学会やスタディグループに参加しましょう。
http://jaae2015.com
または自身で立ち向かえない症例があれば、先生に依頼しましょう。
http://www.osaka-endodontist.com/doctor.html
質問も多く白熱した会となった事に、受講生また横田先生にこの場を借りて御礼申し上げます。
今後も学び、気づき多い会となる様に役員一同全力を尽くしますので、多くの方がこの勉強会に参加される事を願っております。
*午後の部のレポートは近日中に掲載しますのでお手隙の際に目を通して下さい。
ではまた。
報告者 新井 是英
0コメント