保険改定が行われたこの4月、届け出書類の作成や説明会と何かと忙しい日々が続きますが皆さん如何お過ごしでしょうか。
小児から高齢者まで生涯において口腔機能を客観的に評価し介入しようという、今回の改定は私自身非常に評価しており、受講生の皆さんにおいても戸惑うことなく受け入れられたのではないでしょうか。
プレフレイルにいち早く気づけるか。歯科医師のみならず歯科衛生士、歯科助手も口腔機能検査をできるように院内研修し、問診票からでも院内システムを再構築する事が大切になります。
さて、口腔機能の評価が大切なわけですが何も高齢の方に限った事ではなく、小児においても同じです。
歯列不正は勿論、発音障害、顔貌のズレ、咀嚼障害それらに伴う心理的影響などなど。
少子超高齢社会の高齢者にフォーカスして講演する事が多かったですが、今回は小児分野における医療問題についてきょうばし矯正歯科クリニック 永木恵美子先生にお話し頂きました。
1.早期治療を考える
矯正治療における早期治療の最大のメリットは少しの介入で最大限の結果を得る事です。
小児の発育・成長に伴う口腔内、顎骨の変化またバクシネーターメカニズムを知らずして矯正治療は行えないのは自明で、セファロ分析や診断における勘所について、
また不正咬合の分類、叢生、開咬、交差咬合、正中離開など各症例による治療方針または矯正装置の特徴について先生の臨床を基にお話し頂きました。
特に1期治療終了後の2期治療を開始するタイミングの重要性について、子供が置かれている環境を理解し、個人のパーソナリティに応じた説明の仕方など非常に分かり易く解説頂きました。
2.症例の見極めと包括的医療
矯正治療における困難な事は開咬症例だそうです。ハイアングル、ローアングル症例での骨格的な違い、咬筋の断面図、永木先生ご自身の研究結果、臨床症例を基に開口症例についてお話し頂きました。術前の口腔内情報をCT撮影し、その画像情報から作製した模型を用い手術のシミュレーションを行うモデルサージェリーを口腔外科医と行う重要性、またそれが患者にもたらす恩恵について理解ができました。
また一般歯科医、口腔外科医、補綴専門医、歯周病専門医、インプラント専門医といった歯科だけの連携でなく、言語聴覚士の方との連携が今後ますます必要になるとの見解を示されていました。
3.女性が働き続ける環境
今まで以上に女性の活躍が望まれている日本社会において、女性が活躍している職場はまさしく歯科医院です。性別問わず働き続ける事になる中、女性が仕事を続けられる環境とは何かについて、経営者でもあり自身も子育て奮闘中の永木先生ならではの提言を頂きました。
40名を超える受講生の中、女性歯科医師、歯科衛生士は勿論学生も参加した今回の未来院長塾は過去史上最も女性が多く参加し、質問も多く飛び交った白熱した会でした。
報告者 新井 是英
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