2018年度 第7回未来院長塾 レポート

日本が抱える医療課題の一つに、医科歯科連携があります。

観血処置の時に情報提供するアレか、、。それなら何となくしている、または全身疾患についてよく分からないから自信があまりないという方は案外多いのではないでしょうか?

歯科治療はほぼ外科治療なので、抜歯時のみに全身状態を意識するのではなく、普段から意識する必要があります。

地域差はあれど高齢者の割合は増えていくので、安全な医療を提供する上で全身疾患への理解は深めていかないといけません。

そこで、2018年9月2日に大阪歯科大学 口腔外科学第一講座 助教  (社)日本口腔外科学会 指導医・専門医 辻要先生をお招きし、「これからの歯科臨床における、全身疾患の知識とその対応」と題し、ご講演頂きました。

1.DDS

歯科医師を英語表記すると、Doctor of Dental Surgeryなのはご存知でしょうか。

Surgeryと表記するほど歯科治療はほぼ外科治療ですが、う蝕治療などの保存治療では全身状態を意識する事はあまりないのも事実です。

ですが治療による心理的、身体的なストレスによる生体反応や、何気なく出している投薬内容など日常臨床における無視できないリスクもある事も事実です。

今まで大丈夫だったから今後も大丈夫だろうという何となくの認識では我々世代の歯科医師は駄目で、採血検査から患者の全身状態をイメージできるようになる必要性があります。

我々歯科医師が押さえるべき最低限のポイントは何かについて非常に分かりやすくお話頂きました。



2.血液検査の有益性と各臓器の働き

人間ドックを受けられた方は分かると思いますが、検査には本当に数多くあります。

口腔内検査も多くあります。歯周基本検査、唾液検査、咀嚼機能検査などなど、書き出せばきりがない程です。

その中で簡便に全身状態を知る方法は血液検査です。

また、日常臨床において患者が携える検査結果は血液検査結果表が多い事から、この検査がいかに普及しているかが分かります。

腎臓や肝臓など各臓器の正常な働きと検査から読み解く事は非常に多いですが、歯科医師が最低限見るべきポイントについてお話し頂きました。

3.臓器の正常な働きを知り、全身疾患を知る

歯周病と糖尿病やリウマチなどの口腔と全身の関わり、また腎疾患などの全身疾患のある方への投薬内容の配慮など。

今まで何となく断片的だった全身への理解が辻先生のお話を聞く事で、考える軸を持つ事が出来たのが何よりの収穫だと個人的に思いました。

それを各医院、スタッフと共有したり問診票のアップデートや地域の医療機関との質の高い情報提供へと結びつけるのは受講生一人一人の役目であります。

それを積み重ねていき、歯科の新たなスタンダードを築いていきたいと思います。

今回の未来院長塾も正しくうってつけの講師でありました。

辻要先生、この場を借りてお礼申しあげます。

多職種との連携が当たり前に出来る歯科医師に、その為に考え行動できる場を今後も提供していきます。

それでは受講生の皆さん、ではまた。

                                報告者 新井 是英

未来院長塾

バランス良く学べる場を提供し、将来の目標を達成するためのキャリアパスを、自分自信で描くことができる歯科医師の養成をミッションとしています。そのことが、医療を受ける生活者や、地域社会への貢献に繋がり、歯科医療従事者自身も社会に必要とされ、双方の満足に繋がると信じています。

0コメント

  • 1000 / 1000